私たちカネキ吉田商店は、宮城県南三陸町の地で、50年以上に渡って営業を続けてまいりました。めかぶ、かき、うに、あわびなどの水産加工品は、お取引先様や、ご家庭のお客様からも高い評価をいただいています。生産者との長年の信頼関係の中で、良い原料を調達し、真面目に加工してきたことへのご評価をいただいているものと考えております。
近年、環境や社会ニーズの変化により、これまでのように単純に「仕入れ、加工し、売る」ということだけを考えていては、生産活動ができない状況になりつつあります。
一つには、原材料を取り巻く環境の変化です。全国的に、あわびやうにがエサとする海藻が減ってきています。海水温の上昇が原因の一つと考えられています。弊社では、東北大学農学部研究科と協働し、わかめの種苗の研究に取り組んでいます。
次に、職場として求められるものの変化です。製造の現場では機械化が進んでいるとはいえ、本当の「おいしさ」を生み出すのは、人間の目による見きわめであり、手仕事です。弊社社員の一生懸命に働く人間性は、これまでも多方面から評価いただいていましたが、これまで以上に働く環境を重視し、自分自身でやりがいと自らの幸福をつかみとれる職場づくりに努めていきたいと考えています。
最後に、お客様の食生活や嗜好の変化です。近年、お客様が商品に求める価値は多様化してきています。だからこそ、普遍的な価値である「健康」と「おいしさ」はより一層際立ってきていると感じます。私たちは、製造コンセプトである「素材追求」と「自然のままの型」を忠実に遂行しながら、真に安心でおいしい食づくりに邁進してまいります。

代表取締役　吉田信吾